いつでもどこででも絵を描いている人、それが橘。外観のイメージ図などを見ても、絵心がちりばめられ、どこか暖かい。常にアイデアを探してペンを走らせ、絵を描くことで発想が広がる。そんな橘の家造りは、現場から始まっている。大工仕事や現場監督、はたまた営業まで、家に関わる全ての事を経験している。だから、多角的で立体的な思考回路で家造りをする。「どんなにポリシーがしっかりしていて自分の好みもはっきりしているお客様でも、状況が変わると迷ってしまう。そんな時に、きちんとした提案ができるのが、プロの仕事だと思う。方向性を確かめ、軸のぶれない暮らし方を提案していくことです」。そうしてお客様と確認していく事で、調和のとれた居心地のよい家が出来上がる。
橘は、常にスタートは「白い紙」から創作する。それを心がけている。頭も心もフラットにして、新たな発想を創りだす気持ちの準備をするということだ。お客様の要望は様々で、建設する土地の条件も常に違う。建設地には、それぞれメリットとデメリットがあり、それを理解したうえで、お客様の要望をデザインの中に落とし込む。メリットは最大限に生かせるように、そしてデメリットは、発想を転換することで、メリットに変えたり、隠したりする─。お客様によって全て違う。橘は「そこが面白いのです」という。その横にはいつもスケッチブックが広げられている。