アメリカの大学でインテリアデザインを学び、インテリアデザイナーとして活躍。分業が当たり前のアメリカでは、インテリアデザイナーは、純粋に家具や内装、調度品に特化した職業である。
日本には「空間デザイン」という、「設計」と「インテリアデザイン」を一緒にした言葉がある。内部空間の「間」をデザインし、お化粧し、不特定多数の人へとアプローチする。
より大きなボリューム(空間を自由にデザインする)を操作したい欲望を抱いた山田は、この空間デザインという仕事に、魅力を感じ帰国。商業デザインの仕事に関わり、さらに内部空間デザイン、注文住宅へと深くのめり込んだ。
アメリカで培ったものは、文化の狭間から見えた家に対する価値観。家という一番身近な環境が、どれほど人に影響を及ぼすかを考える。山田自身は一つの考えに束縛されない自由人でありながら、家造りには人一倍真摯な気持ちを持っている。「家は人を育てる器」だということ。
家を取り巻く周辺環境や立地条件は、その家唯一のものだ。さらに家族の繋がりや趣味、要望される内容など人により多種多様である。導かれる答えもまた一つではない。心地良さを感じながら、日常生活の中で心が豊かになっていく。それは単に家を造るというより、空間を創造する感覚。
山田は、「家」は住む人の人格を表している側面があるという。どう家と対峙し、暮らしていくかで、家自体が家族に馴染んでいく。そして同時に変貌していく。だから、家族と共に成長する「永遠のパートナー」となる。そんな家を常に創り続けたいと思っている。