昔から言葉でのコミュニケーションが不得意だったと言う大湖。 その一方で、絵を描いたり想像したものを形にしたりすることが得意だった彼が、建築デザイナーを目指したのは自然な流れだったのだろう。
デザイナーになっても、黙々と仕事をこなす5年目が過ぎたとき、 突然営業に異動することになった。 それは、大湖にとってはまさに口下手を治す為の修行で、 コミュニケーションを大切に出来れば、もっと設計に大湖の良さが出ると思った上司の計らいだったのかもしれない。
悪戦苦闘の末、初めて営業成果が出た時の喜びをこんな風にいう。
「最初のお客様が一番忘れられない」
本当に会話が苦手だったのだと、切に感じられる一言だった。
住む人が心から暮らしやすいと思う空間をデザインしたい。 そして、いつまでも飽きることなく、一番安らぎを感じる空間であって欲しい。 いつか代が替わり、建て替える時がきた時に、名残を惜しんでもらえるような、
「また、こんな住み心地のいい家に住みたい」と思ってもらえるような家。
大湖はいつまでも、そんな家を目指してデザインしている。