南入りの路地状敷地。道路高低差が1m有り、東南側を建物で塞がれているが、北側には緑地が広がっている。南側に空きスペースをとり、普通に南側に窓を配した建物を計画した場合、窓からの景色は隣地の裏側のみとなってしまう。「私だけの空間」を創り出すためには南側を遮蔽するか、北川の緑地に向いて暮らすかの選択が必要となりました。どちらにしても陽光は取り入れたいという施主の要望回答として、今回の建物は完成しました。
「ギリシャの丘の白い街並」を意識して、敷地と道路の高低差を美しい階段で魅せ、上ることさえ嬉しくなるような丘の上の白い家を演出しました。外部に対して開口部は極端に少なく、建物と一体の囲いをつくることで実現したコート、「私だけの空間」は、外からは想像もできないほど明るく開放的な別世界となっています。白い外壁が切り取られ、覗く群青の空と木々の美しい緑が純白の室内に自然の彩りを与えてくれます。