豊かな緑に囲まれた閑静な住宅街。既にご購入されていたこの土地に、これからの生活・暮らし方をどのように思い描き実現していくか。デザインも重視したいが暮らし方もより重視したい。そのようなお話から始まった家づくりでした。
ご主人様のライフワークである楽器の制作スペースを、居住スペースとは分離した工房スペースとして敷地内に設けたい。ゆくゆくは、ご夫妻共通の趣味である音楽を通じて、工房やリビング、中庭を囲んでパーティー・ライブ・セッションをイメージ。外を歩く人が気軽に立ち寄れるような雰囲気をつくりつつ、日常生活におけるプライバシーは守りたい。このような暮らし方をイメージする中でご提案したのが今回の「HANARE」です。
パブリック空間(LDKと工房)を1階、プライベート空間(寝室・風呂等の水周り)を2階に分け、又、工房を母屋とつなげる事で出来る2階床面を、水周り・寝室とつなげてルーフバルコニーとし、プライベートの空間にも豊かな広がり生まれました。一見外に閉じたデザインですが、外部吹き抜けを介して光と風が抜け、離れていながら、家族の視線が通う、離れない「HANARE」となりました。